EXHIBITIONS

国宝の名刀と甲冑・武者絵 特集展示 三井家の五月人形

2025.04.12 - 06.15

八幡太郎義家図 狩野美信筆 江戸時代・18世紀 三井記念美術館蔵

 三井記念美術館で「国宝の名刀と甲冑・武者絵 特集展示 三井家の五月人形」が開催される。

 江戸時代は「日本一の商人」として、近代以降は日本最大の財閥として発展した三井家は、商人の家系だが、元祖三井高利の祖父三井高安は、戦国時代に近江の佐々木六角に仕えて越後守を名のった武将だった。六角が滅亡したあと伊勢国に移り住み商人となるが、一族のあいだでは後々まで先祖が武士であったことが意識されてきた。

 それがうかがえるのが、三井高安の所持と伝わる甲冑2点で、三井家の先祖を祀った顕名霊社神宝とされてきた。三井家から寄贈された美術品のなかには、国宝・重要文化財の名刀をはじめ武器武具が少なからずある。また絵画や工芸品にも武者の絵が題材とされいるが、北三井家十代の三井高棟が好んだ象彦漆器や蒔絵額には、三井家の先祖佐々木にゆかりの宇治川先陣争いの画題が好まれた。

 特集展示の三井家の五月人形は、まとまった展示は今回が初めてだ。本展では、刀剣・甲冑・弓矢・鉄砲などの武器武具、神話や芸能などを題材とした人形など、おもに近代に製作されたものだが、それぞれ漢字一文字で所持した人を表す「御印」別に展示する。