2026.5.22

「短調で」世界に耳を澄ます。第61回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展(企画展)レポート

ひとつの大きな声ではなく、複数のかすかな声に耳を澄ますこと。「In Minor Keys(短調で)」と題された第61回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展は、戦禍で増幅する死と、芸術監督不在という異例の状況下で、主催関係者や111組の招聘作家の協奏として編み上げられた。企画展と国別パビリオンの2回に分けての現地レポート、今回は企画展をお届けする。

文=飯田真実

今年のジャルディーニ会場セントラル・パビリオンのファサードは、オトボン・ンカンガ(1974〜)《Soft Offerings to Silenced Voices and to All Who Have Turned to Dust》(2026)。柱をレンガで覆い、陶器やガラスの器から伸びる蔦が権威的な建築を覆っていく 撮影=筆者