2026.1.16

ART SG、シンガポールで第4回開催へ。S.E.A. Focusと初併催で地域連携を強化

東南アジア最大級の現代美術フェア「ART SG」が、1月23日〜25日にシンガポールで開催される。今回はS.E.A. Focusを初めて併催し、地域連携をいっそう強化する。

マリーナ・ベイ・サンズ Courtesy of Marina Bay Sands
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 東南アジア最大級の現代美術フェアART SGの第4回目が、1月23日〜25日にシンガポールのマリーナ・ベイ・サンズ内サンズ・エキスポ&コンベンションセンターで開催される。VIPプレビューおよびヴェルニサージュは1月22日に行われる。

 今年のフェアの大きな特徴は、東南アジア現代美術に特化したプラットフォーム「S.E.A. Focus」を初めて併催する点だ。30以上の国・地域から100を超えるギャラリーが参加し、単一チケットで両イベントを回遊できる統合フォーマットにより、地域内外のアーティスト、ギャラリー、コレクター、機関の交流を促進する。主催者は、本取り組みがシンガポールの文化拠点としての役割を一段と高めると位置づけている。

 ART SGの共同創設者マグナス・レンフリューは、「成熟が進む地域のコレクター基盤と文化的エコシステムのもと、S.E.A. Focusの統合は、東南アジアのもっとも説得力ある声を可視化する重要な一歩」とコメント。拡充したプログラムや新たなキュラトリアル施策、戦略的パートナーシップを通じ、地域と世界を結ぶハブとしての役割を強化するとした。

ART SG 2025の様子 Courtesy of ART SG

 出展ギャラリーには、ホワイト・キューブ、タデウス・ロパック、グッドマン・ギャラリー、オオタファインアーツなどの国際的なギャラリーが復帰するほか、カステリ・ギャラリー(ニューヨーク)やアシュヴィタズ(チェンナイ)など新規参加も加わり、国際性をさらに拡張する。いっぽう、アメス・ヤヴズ、STPI、ガジャ・ギャラリーなど、東南アジアを代表するギャラリーも集結し、地域の動向を網羅的に提示する構成となる。

 併催のS.E.A. Focusは、ジョン・Z.W.・トンのキュレーション(STPIのエミ・ユーがアーティスティック・コンサルテーション)により、「The Humane Agency」をテーマに展開。紛争や平和への希求、環境危機、越境するコミュニティといった今日的課題に対し、アーティストを「共感の担い手」として捉える視座を提示する。

 フェアのリードパートナーであるUBSは、「ART SG FUTURES Prize presented by UBS」を新設し、受賞者に賞金1万米ドルを授与する。新進作家の支援を強化するとともに、会場内のUBSラウンジおよびアートスタジオでは、UBSアート・コレクションからの作品展示も行われる。加えて、シンガポール美術館(SAM)の収蔵を支援するSAM ART SG Fundも第2回を実施し、フェアを通じた公共コレクションの充実を図る。

 さらに、インドおよび南アジア現代美術に光を当てるTVS Initiative、上海のロックバンド美術館(RAM)との協働によるパフォーマンス・アート部門の新設、ホテル空間を活用した展示モデル「Wan Hai Hotel」など、横断的な新企画が多数予定されている。

ART SG 2025の様子 Courtesy of ART SG

 アート・バーゼルとUBSが発表した「Art Basel & UBS Survey of Global Collecting 2025」によると、シンガポールは2024年における美術品・骨董品の輸入額が前年比74パーセント増の約17億ドルに達し、世界第5位の輸入国となった。アジアでは日本に次ぐ規模であり、輸出面でもシンガポールや韓国といったアジアの拠点がシェアを拡大しているという。また、コレクション内容においても、シンガポールでは新進作家の作品が全体の約37パーセントを占め、とくに女性コレクターが購入量・点数の面でもっとも活発であった点が報告されている。

 拡張するプログラムと地域連携を軸に、ART SG 2026は東南アジアの現代美術が国際舞台で存在感を高めるための重要なプラットフォームとして、その役割をいっそう強めることになるのか。注視したい。