2025.6.11

ラブブの等身大フィギュアが2200万円で落札。北京で初のオークションが開催

6月10日に北京で開催された人気キャラクター「ラブブ」に特化した初のオークションでは、等身大のフィギュアが過去最高額となる108万元(約2200万円)で落札された。

約2200万円で落札されたラブブのフィギュア 出典=永楽国際拍売のオークションページより
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 6月10日、人気フィギュア「ラブブ(Labubu)」に特化した初のオークションが北京で開催され、全高131センチの等身大フィギュアが108万元(約2200万円)で落札された。これはラブブシリーズとしては過去最高額での取引となる。

 オークションを主催したのは、現代美術や宝飾品を主に扱う中国のオークションハウス「永楽国際拍売(Yongle International Auction)」。会場には約200人が来場し、オンラインでは1000人以上が入札に参加した。出品された48点のラブブフィギュアはすべて、最低価格0元からのスタートとなり、総落札額は約373万元(約7500万円)に達した。

 最高額で落札されたのは、ミントグリーンの毛で覆われた身長131センチの立像で、同社によると「世界に一体しか存在しない作品」とされている。また、2017年に120セット限定で制作された木製の3体セット「三博士ラブブ」も51万元(約1030万円)で落札された。このセットと同型の作品は、今年5月にサザビーズ香港でも20万3200香港ドル(約380万円)で取引された実績がある。

三博士ラブブ 出典=永楽国際拍売のオークションページより

 「ラブブ」は、香港出身でKaikai Kiki Galleryにも所属するアーティスト、カシン・ローンが約10年前に生み出したキャラクター。2019年以降は北京に本社を構える玩具メーカー「ポップマート」が商品化し、“ブラインドボックス”方式で販売されている。購入者は箱を開けるまで中にどのデザインの人形が入っているかわからない仕組みで、この驚きと収集欲をかき立てる方式が若者を中心に人気を集めている。

 ラブブの世界的ブームの火付け役となったのは、K-POPグループBLACKPINKのリサがSNSで紹介したこと。さらに、リアーナやデュア・リパといった海外セレブも愛用し、人気に拍車をかけた。イギリスのサッカー選手デビッド・ベッカムも、ラブブをバッグに付けた写真をInstagramに投稿している。

 いっぽうで、人気の過熱が混乱を招くケースも報告されている。ロンドンのポップマート店舗では、限定商品の販売をめぐってトラブルが相次いだことから店頭販売を一時中止。シンガポールでは家族連れによるクレーンゲーム機からの窃盗行為が防犯カメラにとらえられた。アメリカ・カリフォルニアでは、ポップマートの店舗が空き巣被害を受け、ラブブの人形や電子機器などが盗まれる事件も発生している。