国際芸術祭「あいち2025」、プログラム全体概要を発表
国際芸術祭「あいち2025」のプログラム全体概要が、5月30日の記者会見で発表された。会期は9月13日〜11月30日の79日間。「灰と薔薇のあいまに」をテーマに、愛知芸術文化センター、愛知県陶磁美術館、瀬戸市のまちなかを主会場に、現代美術、舞台芸術、ラーニングなど多様な取り組みが展開される予定だ。

国際芸術祭「あいち2025」が、5月30日に記者会見を行い、会期中に展開される現代美術、パフォーミングアーツ、ラーニングの全体プログラム概要を発表した。
同芸術祭は、2010年より3年ごとに開催され、今回で第6回を迎える。現代美術を基軸としながら、パフォーミングアーツやラーニングなども含む複合型の芸術祭として発展してきた。今回の芸術祭は、「灰と薔薇のあいまに」をテーマに、79日間にわたって開催される。主な会場は、愛知芸術文化センター、愛知県陶磁美術館、瀬戸市のまちなかなど県内各所に広がり、国際的にも注目されるアートイベントとなっている。
芸術監督には、シャルジャ美術財団理事長であり、国際的に活躍するフール・アル・カシミが就任。彼女のディレクションのもと、「人間と自然の関係」「戦争と記憶」「資源と権力構造」など、現代社会の本質に迫る視点から多様なプログラムが展開される。
世界22の国と地域から61組が参加
現代美術展では、世界22の国と地域から61組のアーティストが参加。愛知芸術文化センターでは、インドネシアのムルヤナやレバノンのダラ・ナセルによる大規模なインスタレーション、写真家・杉本博司の大判写真作品などが予定されている。ハワイ出身のソロモン・イノスは、壁画作品を展示するほか、子供たちと協力して新たな壁画を制作するプロジェクトも展開する。

Commissioned by the Renaissance Society, University of Chicago, with support from the Graham Foundation and Maria Sukkar; courtesy of the artist

また、愛知県陶磁美術館では、ナイロビとアメリカを拠点に活動するワンゲシ・ムトゥのセラミックや映像などを組み合わせた大作が同館のエントランスで展示。アメリカのシモーヌ・リーがアフリカで採取した素材を用いた陶器作品、秋田在住の画家・永沢碧衣が野生動物との関係を独自の視点からとらえた作品、ガーナとイギリスを拠点とするアーティストグループ「ハイブ・アース」による版築構造を用いた建築的展示など、幅広い表現も見どころだ。

Courtesy of the Artist and Victoria Miro London

Photo by Sharjah Architectural Triennial