2026.8.28

草間彌生の大規模回顧展がアムステルダムで9月開幕。死去を受け、その生涯と作品をたたえる追悼展に

アムステルダム市立美術館で、草間彌生の70年以上にわたる創作活動をたどる大規模回顧展が9月11日に開幕する。草間の死去を受け、同館は本展をその生涯と作品をたたえる追悼展として開催すると発表した。会期は2027年2月28日まで。

2010年「あいちトリエンナーレ」での草間彌生と《Yellow Tree / Living Room》 © YAYOI KUSAMA. Courtesy Ota Fine Arts and David Zwirner
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 アムステルダム市立美術館で、草間彌生の大規模回顧展「Yayoi Kusama」が9月11日に開幕する。8月14日に草間が97歳で逝去したことを受け、同館は本展を、その生涯と70年以上にわたる創作活動を称える追悼展として開催すると発表した。会期は2027年2月28日まで。

70年以上にわたる創作活動をたどる

 本展は、草間の70年以上にわたる創作活動を振り返る大規模な回顧展。絵画、彫刻、インスタレーション、ドローイング、ファッション、コラージュ、ハプニングなど、多岐にわたる表現を通じて、その芸術の展開を紹介する。

1971年、ニューヨークのスタジオにて、男根状の彫刻と共に《Untitled (Dress)》を身にまといポーズをとる草間彌生 Photo by Tom Haar. © YAYOI KUSAMA

 構成は、出身地の長野県松本市で制作された初期作品から、ニューヨーク時代の実験的な作品、そして東京で制作された近作までをたどるもの。代表作に加え、これまでヨーロッパで展示されたことのない歴史的作品や、本展のために制作された新作も出品される。さらに、草間の創作における重要なテーマである「無限」「自己消滅」「反復」を体現する代表的なインスタレーションも、本展のための新たなバージョンとして登場する予定だ。

1968年8月14日、ニューヨークのブルックリン橋で行われたハプニング《Anatomic Explosion》 Getty Research Institute, Los Angeles. Gift of the Roy Lichtenstein Foundation in Memory of Harry Shunk and Janos Kender. Photo by Shunk-Kender © J. Paul Getty Trust
1966年の第33回ヴェネチア・ビエンナーレにて、自身のインスタレーション作品《Narcissus Garden》の中に立つ草間彌生 Courtesy of Ota Fine Arts and David Zwirner. © YAYOI KUSAMA

オランダとの関係にも光を当てる

 本展の開催地であるオランダも、草間の活動にとって重要な場所のひとつだ。1960年代には同国に長期間滞在し、作品を発表するとともに、オランダの「Nul(ヌル)」運動に関わるアーティストたちと交流を重ねた。

草間彌生《Aggregation: One Thousand Boats Show》(1963) 白い綿布で覆われた石膏鋳型を施した手漕ぎボートとオール、婦人靴一足、白黒ポスター Collection Stedelijk Museum Amsterdam, gift of the artist. © YAYOI KUSAMA

 今回の回顧展は、バーゼルのバイエラー財団、ケルンのルートヴィヒ美術館との共同企画。バイエラー財団で2025年10月〜2026年1月、ルートヴィヒ美術館で2026年3月〜8月に開催され、アムステルダム市立美術館が巡回の最終会場となる。

 当初は草間本人との協働のもと準備が進められてきた本展だが、アムステルダム市立美術館館長のライン・ヴォルフスは草間の死去について、「彼女の芸術は世界中の人々に語りかけ、世代や文化、国境を超えている」とコメント。展覧会を担当するキュレーターのレオンティーヌ・クーレワイは、草間が晩年まで新作をつくり続けたことに触れ、その創作への姿勢は「並外れた芸術的な力の証し」だと述べている。

草間彌生《Infinity Mirrored Room – 'Illusion Inside the Heart'》(2025)内部の様子 鏡面仕上げステンレス・スティール、ガラス鏡、着色アクリル 300×300×300cm Collection of the artist. Courtesy of Ota Fine Arts. © YAYOI KUSAMA
《Infinity Mirrored Room – 'The Hope of the Polka Dots Buried in Infinity Will Eternally Cover the Universe'》(2025) ミクスト・メディア(部分) Photo by Mark Niedermann. © YAYOI KUSAMA