2026.5.28

「アートウィーク東京」が今年も開催。過去最多55施設が参加、「AWT FOCUS」は10会場に拡大

東京の現代美術の創造性と多様性を国内外に発信する「アートウィーク東京(AWT)」が、今年も11月4日〜8日の5日間にわたり開催される。

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 東京の現代美術の創造性と多様性を国内外に発信する年に一度の祭典「アートウィーク東京(AWT)」が、11月4日〜8日の5日間にわたり開催される。

 4回目の開催を迎える今年は、過去最多となる55の美術館やギャラリーが参加。ポーラ ミュージアム アネックス、セイソン&ベネティエール、パーセル、思文閣銀座の4館が新たに加わる。都内に点在する各会場は、乗り降り自由な無料のシャトルバス「AWT BUS」によって結ばれ、来場者は東京の現代アートの「いま」を回遊しながら体感することができる。

AWT FOCUSの会場は10ヶ所に

 「買える展覧会」として独自の存在感を放ってきた「AWT FOCUS」は、2026年から開催形式を大幅に刷新。ウィーンを拠点とするギャラリーフェスティバル「curated by」とのコラボレーションのもと、会場を10カ所に拡大して展開する。厳選された各アートスペースが国内外で活躍するキュレーターを迎え、個展からグループ展まで多様な展覧会を構築する。

Multiple Spirits《ダンジョンは生ける光の陰影へ》(2025) Photo by Takashi Fujikawa. Courtesy Waitingroom.
ソフィー・ニス《If Nature Didn’t, Warner’s Will》(2012) Courtesy Galerie Greta Meert, Brussels.

 WAITINGROOMではクィア・フェミニストコレクティブのマルスピ(丸山美佳+遠藤麻衣)が、ZINEや出版文化から知の共有をたどる展覧会を開催。XYZ collectiveではオリヴィエ・ミニョンのキュレーションにより、増塩太朗とソフィー・ニスの2人展が開催。クィアの身体性と言葉・モノの関係性を探求する。

メアリー・ウェザーフォード《Not Yet Titled》(2024) Photo by Frederik Nilsen. Courtesy Shibunkaku.
土屋信子「Stay as a Wave」(2023)展示風景 Photo by Nobutada Omote. Courtesy SCAI The Bathhouse.

 思文閣銀座では元MOCAディレクターのジェレミー・ストリックが手がけるメアリー・ウェザーフォードの日本初個展が、SCAI THE BATHHOUSEではロンドンのカムデン・アート・センターのディレクター、マーティン・クラークがキュレーションする土屋信子展がそれぞれ空間を彩る。さらに、スペースアンではエコウ・エシュンのキュレーションにより、シエラレオネ出身のジュリアンノックスによる日本初の個展が実現する。

ジュリアンノックス「What Colours Can We Dream in This Night Filled with Salt」(2025)展示風景 © Levi Fanan, courtesy Fundação Bienal de São Paulo.
エリカ・ヴェルズッティ「Sex Scene」(2025)展示風景 Photo by Nicolas Brasseur. Courtesy the artist and Fortes D’Aloia & Gabriel, São Paulo/Rio de Janeiro.
ジュリアンノックス「What Colours Can We Dream in This Night Filled with Salt」(2025)展示風景 © Levi Fanan, courtesy Fundação Bienal de São Paulo.

 歴史や日常を独自の視点で捉え直す展示も多い。Take Ninagawaではポーランド現代美術に貢献した鴨治晃次の静謐な世界をマリア・ブレヴィンスカが紐解き、MISAKO & ROSENではフランスのリュマ・アルルのジュリー・ブコブザのキュレーションにより、ブラジル出身のアーティスト、エリカ・ヴェルズッティの彫刻の肖像性を探る。また、MISA SHIN GALLERYでは韓国のシン・ジェミンが、青柳菜摘の個展をキュレーションする。

青柳菜摘《関係名デモンストレーション》(2025) Photo by Minji Yi.
「日本国憲法展2024」(2024)展示風景
グレゴリー・オリンピオ《Le Plancher des Vaches》(2025) © Gregory Olympio, courtesy the artist and blank projects, Cape Town.

 無人島プロダクションではグレッグ・ドボルザークと小野賢が、風間サチコらの作品から今日を再考する「日本国憲法展 2026」を立ち上げ。Yutaka Kikutake Galleryではアウグスト・アルビゾが、桂ゆきや櫃田伸也ら6名の作品を通じて絵画の余白を考察する「The Quiet」を開催する。以上、10の個性的な企画が重層的に展開される。

ビデオプログラムからポップアップバーまで

 「AWT VIDEO」では、上海のロックバンド美術館(RAM)のチーフキュレーターである朱筱蕤(X・ジュー=ノウェル)が監修を担当し、厳選された映像作品プログラムを上映する。

 また、南青山にはポップアップバー「AWT BAR」が特設。設計は、妹島和世建築設計事務所やSANAAで活躍した建築家の伊東加恵が担当(アドバイザー:妹島和世)する。さらに、青柳菜摘、須田悦弘、森万里子の3人のアーティストが考案した、思い思いの発想による限定カクテルが提供される。

 ほかにも、国内外のキュレーターや思想家を招いたシンポジウム、オンライントーク、コレクターを目指す人に向けたガイドツアーやセミナーなどが開催。また、未就学児や学生を対象としたアート教育プログラムなど、初心者から熱心なアートファンまでが深く深くアートを知るための場が用意される。