2025.8.19

「ひろしま国際建築祭2025」に堀部安嗣、中⼭英之が参加。「移動型キオスク」設置へ

今年10月に初開催される「ひろしま国際建築祭2025」に、新たに建築家の堀部安嗣と中⼭英之が参加。「移動型キオスク(⼩さな建築)」を設置する。

堀部安嗣 「つぼや」 イメージ画像
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 今年10月から初開催される「ひろしま国際建築際」で、新たなプロジェクトが発表された。

 同建築際は、⼀般財団法⼈神原・ツネイシ⽂化財団が主催するもの。「建築」で未来の街をつくり、こどもの感性を磨き、地域を活性化させ、地域の“名建築”を未来に残すことをミッションとして掲げ、3年に1度の開催を目指す。

 初回となる今年は、「つなぐ「建築」で感じる、私たちの“ 新しい未来”Architecture:A New Stance for Tomorrow」をテーマに、広島県の福⼭市・尾道市にある7つの会場を中⼼に、「ナイン・ヴィジョンズ|日本から世界へ 跳躍する9人の建築家」「NEXT ARCHITECTURE|『建築』でつなぐ“新しい未来”」「神原・ツネイシ文化財団 建築文化再興プロジェクト『成城の家』の写し ―丹下健三自邸再現・予告展」など8つの建築にまつわる展⽰を実施。丹下健三、槇文彦、安藤忠雄SANAA/妹島和世・西沢立衛、伊東豊雄、坂茂、磯崎新、山本理顕、藤本壮介、石上純也、川島範久、VUILD/秋吉浩気、Clouds Architecture Officeなどが参加する。

 ここに新たに加わることになったのが、建築家の堀部安嗣と中⼭英之だ。両氏はそれぞれ地元企業の⽀援を受け、「移動型キオスク(⼩さな建築)」を設置。主催者によると、このキオスクは建築祭の「思想の⼊り⼝」、来場者との「対話の場」、歴史・⾵景・営みから建築を解くことで⾒えてくる「場所の⽂脈」でもあり、ひろしまの⼈・建築・地域・⾃然をつなぐ「象徴的装置」として機能する新しい建物だという。

 堀部はウッドワンと連携し、⽇本の伝統的な⼿刻み⼤⼯技術を⽤いた「つぼや」を神勝寺 禅と庭のミュージアムにある枯⼭⽔庭園「無明の庭」に設置する。

アーキテクチャー(Architecture)とは物理的なものではなく、茶道、柔道、武⼠道のような「〜道」ではないかと考えます。未来のための、過去から続く⼀本の道。その”道”の途中に存在する今回のプロジェクトでは、⽇本で今まさに失われつつある価値ある⾝近な素材や伝統的な⼿刻みの⼤⼯技術を継承してゆくために何ができるか、考えるよい機会にしたいです。尺貫法の6尺(1,820mm)×6尺(1,820mm)は⼀坪です。これが⼈の住まいや⼟地の基本となっています。この⼀坪という単位を『つぼや』でお楽しみ下さい。(堀部コメント、プレスリリースより)
堀部安嗣 「つぼや」 イメージ画像

 また中山はモルテンと連携し、ONOMICHI U2に隣接するウォーターフロントの⽊製デッキの空間、オリーブ広場に「⾵景が通り抜けるキオスク」を設置。透明な膜材の2つの⼩さな建築による“⾵景が通り抜ける”デザインとなり、2つの建築の蓋をあけるとそれが屋根になり、⼦供向けのワークショプなども⾏われる。

個別の島々だった瀬⼾内が船や橋で結び合わされたように、ふたつの⼩さなキオスクが⼿をつないで、ひとつの場所をつくり出します。キオスクたちは半透明な素材で覆われて、収納されたさまざまな物たちが、⾵景を背景に浮かびます。ふたつのキオスクから⽣まれる場所は、収納された物や道具と、訪れた⼈々や⼦供たちが出会う空間です。透き通った⼤きなスケッチブックを広げて、尾道の海や空に毎⽇違った絵を描き込むような、そんな光景を想像しています。(中山コメント、プレスリリースより)
中⼭英之 「⾵景が通り抜けるキオスク」 イメージ画像

 なおこれらの「移動型キオスク」は、今後、3年に1度の同建築祭開催時に新たなキオスクを増やしながら発展していく計画。第2回のひろしま国際建築祭(28年開催予定)でも複数の設置を⾏った後、第3回の建築祭(31年予定)では、25年、28年2回分のキオスクを加え、「キオスクマルシェ」の開催も検討されている。