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2026.5.3

文化と経営はいかに両立できるのか。国立新美術館新館長・菅谷富夫が語る、「アートセンター」の未来

2026年4月、国立新美術館の新館長に就任した菅谷富夫。大阪中之島美術館を立ち上げ、初代館長であった菅谷は、このたびの就任にあたり「国立新美術館は“ミュージアム”ではなく“アートセンター”だ」と語る。コレクションを持たない館の役割とは何か。ブロックバスター展、公募展、文化と経営の両立、そして開館20周年を前にした“総点検”──変化の時代における美術館のあり方を聞きました。

聞き手・構成=橋爪勇介(編集部)

菅谷富夫、国立新美術館にて 撮影:橋爪勇介(編集部)

新美は “ミュージアム”ではなく“アートセンター”

──まずは、国立新美術館の館長就任の打診を受けた際は、どのように感じられましたか。

菅谷 大阪中之島美術館が開館して数年が経っており、自分自身も年齢を重ねてきたのでそのまま中之島にいるという選択肢ももちろんありました。ただ、お声がけをいただいて、「もうひと仕事できるかもしれない」と思ったのです。

 中之島への思いは強いですし、「中之島一筋三十何年」という言い方もされてきました。でも、「もうひとつくらいやったらどうだ」と言ってくださる方もいて、それもいい機会かもしれないと思った。国立だからというより、これまでとは異なる環境で、もう一度新しい仕事をしてみたいという気持ちが湧いてきたのです。それに、中之島はいま非常にいい状態にあります。そうした状況で次の世代にバトンタッチしなければいけないという思いもありました。大阪・関西万博も終わりましたし、ひとつの節目でもありました。

──国立新美術館をどのような美術館だと見ていましたか。