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2026.5.2

美術史を「オペレーション」で読み直す。「高知の前衛 高﨑元尚と浜口富治」(高知県立美術館)の実践

美術史家/キュレーターの富井玲子が、『オペレーションの思想』(イースト・プレス、2024)において、日本の戦後美術を検討するために導入した概念「オペレーション」。この概念は、展覧会をキュレーションするうえでいかなる実践となり得るのか。戦後高知の前衛芸術運動を取り上げた高知県立美術館の「高知の前衛 高﨑元尚と浜口富治」展を具体例に、担当学芸員の塚本麻莉が論じます。

文=塚本麻莉(高知県立美術館主任学芸員)

浜口富治による「動くオブジェ巡回移動展」のために制作されたオブジェ群と旗(いずれも1963)。「高知の前衛 高﨑元尚と浜口富治」(高知県立美術館)展示風景より 撮影:編集部
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美術史を「オペレーション」で読み直す

 60年以上前の、あるエピソードからはじめたい。四国から上京していた作家と、欧米で活躍する著名作家とが出会い、意気投合して互いの作品を交換するに至った。高知出身の浜口富治と、スイス出身のジャン・ティンゲリーが、1963年に東京の南画廊で出会ったときのことだ。ティンゲリーは南画廊で行う個展のために来日していた。キネティック・アート、つまりモーターなどの機械によって「動く」彫刻の制作で名高いティンゲリーの前に現れた浜口は、自作の「動くオブジェ」を携えていた。通電すると金網の中の刃物(メス)がキリキリと音を立てて回る──そんな作品を見せるとティンゲリーは喜び、浜口に作品交換を持ちかけた。

浜口富治の「動くオブジェ」シリーズ。左から、《探照燈》(1963)個人蔵、《画家の時間》(1963)個人蔵、《ブリキの箱》(1963)高知県立美術館蔵、《メカニズムを閉じ込めたよろこび(とりかご)》(1963)高知県立美術館蔵

 キーコンセプトとしての「オペレーション」