DIEGO: ALways Secret OK

「都市」というフィールドへの独自のまなざしを表現してきたアーティスト・DIEGO（ディエゴ）の新作個展が開催される。

　DIEGOは東京を拠点に活動。街に落ちていたペットボトルや紙くず、路上で見かけたネズミや道を走る車など、街で目にするものを擬人化、文字化させ絵画や立体、映像作品、インスタレーションを制作。これまでひとりのアーティストとして、またアート・コレクティブ「SIDE CORE」の一員として現代美術とストリートを自由に行き来する、いままでにないスタイルの作品が注目されている。
　　
　近年は、自身を取り巻く外の世界を反映すると同時に、自らが触れてきた様々なカルチャーや、邂逅した人々から受けたエッセンスを取り込んだ作品群を空間内に展開。この手法は徐々に密度を増し、ひとつの空間に提示される符丁めいた図像や不確かなアウトラインが「都市」の隠された領域への道標となる。

　本展では、ワタリウム美術館のミュージアム・ショップ「オン・サンデーズ」内を展開フィールドとして設定。新作のペインティングに加え、3次元作品と印刷物やZINEなどのD.I.Y的な制作物がオン・サンデーズの地下空間の至る所にインストールされ、既存の空間への侵食とその変容を試みる。

　鑑賞者は古代遺跡の探窟家のように作品を「探し」その隠されたストーリーを見つけ出すように要請され、一人ひとりに異なった価値に出会うことのできる「トレジャー・ハンティング」さながらの体験をもたらすだろう。