EXHIBITIONS

川島優「Reflection」

 ホワイトストーンギャラリー銀座新館で、川島優による個展「Reflection」が開催される。

 川島優は2013年愛知県立芸術大学を卒業。同大学院博士前期課程美術研究科日本画領域専攻修了。第68回春の院展初入選、2014年損保ジャパン美術賞FACE展でグランプリおよびオーディエンス賞を受賞し、受賞作「TOXIC」は東郷青児美術館に収蔵された。2015年ホワイトストーンギャラリーで個展を開催。以降、香港、台湾、上海などの国際アートフェアにも出展している。

 本展は、現代社会における「不安」と向きあい、それを乗り越えようとする人間の根源的な力をテーマにした新作を中心に構成される。川島は、自然豊かな環境で過ごした幼少期から、情報やテクノロジーに囲まれた都市生活へと移り変わる自身の経験を背景に、人工的な世界への違和感や時代の不穏さを作品へと昇華してきた。

 2019年以降のパンデミックや国際的な緊張、分断といった現実が人々の生活に影を落とすなか、川島は絵画を通して自身と環境を見つめ直し、現代社会を生きる術を探っている。展覧会タイトル「Reflection(反射/内省)」には、感情や記憶が折れ曲がり、屈折しながら、見る角度によって異なるかたちや色を生み出すという視覚的・精神的なプロセスが込められている。

 本展では、川島の最新作を通して、「不安」のただ中にあっても芽吹く“生きる力”のかたちを提示する。現代における視覚表現の可能性と、人間の内面に宿る原動力を見つめる機会となるだろう。