EXHIBITIONS

企画展

異端の奇才 ビアズリー展

2025.11.01 - 2026.01.18

オーブリー・ビアズリー クライマックス 1893 ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館 Photo: Victoria and Albert Museum, London

 高知県立美術館で、企画展「異端の奇才 ビアズリー展」が開催される。

 オーブリー・ビアズリー(1872〜1898)は、ヴィクトリア朝イギリスで活躍した画家。『アーサー王の死』(1893〜94)やオスカー・ワイルド著『サロメ』(1894)の挿絵によって注目を集め、緻密な線描と大胆な白黒の構成による独自の様式を確立した。25歳で早逝するまでに、雑誌『イエロー・ブック』や『サヴォイ』、アレクサンダー・ポープ著『髪盗み』(1896)の挿絵などを手がけ、19世紀末の退廃的で優美な世界を表現した。

 本展は、イギリス・ロンドンのヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(V&A)の協力により開催。初期から晩年までの作品約200点を紹介し、直筆約50点を含む初期代表作『アーサー王の死』や、ビアズリーの名を世に知らしめた『サロメ』の挿絵、繊細な点描を用いた『髪盗み』、晩年の傑作『モーパン嬢』などを展示する。

 また、19世紀に流行した家具や食器といった装飾美術もあわせて紹介し、ビアズリーの生きた時代を多角的に振り返る。さらに、新約聖書に登場するサロメ像が西洋美術や舞台芸術でどのように描かれてきたかに注目し、ギュスターヴ・モローやアルフォンス・ミュシャらによる関連作品を通して、その系譜を紹介する。