EXHIBITIONS

成田輝「遠くのペラペラ」

2025.08.22 - 09.28
 CALM & PUNK GALLERYで、成田輝の個展「遠くのペラペラ」が開催されている。

 本展は、2025年夏に山梨県北杜市のGASBON METABOLISMで開催された同名展の巡回展にあたり、新たな空間構成での再展示となる。登山時に見た眺めが、まるで平面のように見えたという体験をきっかけに、空間の把握とその錯覚について問い直し続けてきた成田が、「見ること」と「存在すること」に向き合う新作レリーフを発表している。本展タイトルである「遠くのペラペラ」は、そうした視覚体験から浮上する感覚のズレ、認知のフラット化、そして「仮象」としての風景への皮肉とも読み取れる言葉である。

 主作品となる新作《不在の視線》は、縦長の黒い鏡面に景色を凹凸で表現しつつ、近づいた観覧者の目には自分自身の姿が映りこむ構造になっている。本展に向けてテキストを寄せた美術評論家・山内舞子は本作について「古代ギリシャ以来の芸術における主要命題のひとつ『実在と仮象』が2セット出現する」と述べ、そこには「鑑賞者」と「作品に映る鑑賞者の姿」、そして「作品」と「鑑賞者の網膜上で結ばれた像」という関係が立ち現れるという。