EXHIBITIONS
前田信明「浸透する色彩 ― Permeating Color, 2025」
TEZUKAYAMA GALLERYで、前田信明による個展「浸透する色彩 ― Permeating Color, 2025」が開催されている。
前田信明は1949年熊本県生まれ。現在も熊本を拠点に活動を続ける。1970年代、アメリカのミニマル・アートの巨匠ドナルド・ジャッド(1928〜1994)と出会い、さらに成田克彦(1944〜1992)や桑山忠明(1932〜2023)といった国内外の重要作家たちとの交流を通じて、当時の「もの派」やミニマリズムの潮流を体感した。それらの影響を受けつつも、独自の視点から純粋抽象のあり方を探求し続け、独創的な絵画空間を構築してきた。
1970年、東京都美術館で開催された第10回東京ビエンナーレ「人間と物質展」では、田中信太郎(1940〜2019)のアシスタントとして参加。このとき、ヤニス・クネリス(1936〜2017)、カール・アンドレ(1935〜2024)、リチャード・セラ(1938〜2024)といった海外作家たちの制作現場を目の当たりにし、国際的な現代美術の潮流に触れる経験を得た。
とくに、同展で「SUMI」を発表し注目を集めていた成田克彦の作品に強い衝撃を受けたことは、その後の前田の表現活動に大きな影響を与えた。以降、両者の交流は長きにわたり続く。また、1958年にニューヨークへ拠点を移し、ミニマリズムの中心的存在であった桑山忠明との出会いも、前田にとって重要な出来事となった。
1970年代以降、ゼロックス・アートやフロッタージュといった「時間性」を主題とした作品に取り組んだ前田は、やがて具象性を排除したミニマルな画面構成へと移行。アクリル絵具を極限まで希釈し、キャンバスに水を大量にかけるなど、独自の描画工程を何層にもわたり繰り返すことで、深淵な色彩と純粋抽象による絵画を確立していく。
画面上に浮かび上がる水平と垂直のラインは、重力が生む垂直性、堆積によって形成される大地の水平性を想起させる前田の作品。本展は、TEZUKAYAMA GALLERYにおいて前田にとって初の個展となっている。
前田信明は1949年熊本県生まれ。現在も熊本を拠点に活動を続ける。1970年代、アメリカのミニマル・アートの巨匠ドナルド・ジャッド(1928〜1994)と出会い、さらに成田克彦(1944〜1992)や桑山忠明(1932〜2023)といった国内外の重要作家たちとの交流を通じて、当時の「もの派」やミニマリズムの潮流を体感した。それらの影響を受けつつも、独自の視点から純粋抽象のあり方を探求し続け、独創的な絵画空間を構築してきた。
1970年、東京都美術館で開催された第10回東京ビエンナーレ「人間と物質展」では、田中信太郎(1940〜2019)のアシスタントとして参加。このとき、ヤニス・クネリス(1936〜2017)、カール・アンドレ(1935〜2024)、リチャード・セラ(1938〜2024)といった海外作家たちの制作現場を目の当たりにし、国際的な現代美術の潮流に触れる経験を得た。
とくに、同展で「SUMI」を発表し注目を集めていた成田克彦の作品に強い衝撃を受けたことは、その後の前田の表現活動に大きな影響を与えた。以降、両者の交流は長きにわたり続く。また、1958年にニューヨークへ拠点を移し、ミニマリズムの中心的存在であった桑山忠明との出会いも、前田にとって重要な出来事となった。
1970年代以降、ゼロックス・アートやフロッタージュといった「時間性」を主題とした作品に取り組んだ前田は、やがて具象性を排除したミニマルな画面構成へと移行。アクリル絵具を極限まで希釈し、キャンバスに水を大量にかけるなど、独自の描画工程を何層にもわたり繰り返すことで、深淵な色彩と純粋抽象による絵画を確立していく。
画面上に浮かび上がる水平と垂直のラインは、重力が生む垂直性、堆積によって形成される大地の水平性を想起させる前田の作品。本展は、TEZUKAYAMA GALLERYにおいて前田にとって初の個展となっている。