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公開制作 vol.4 原田裕規 ドリームスケープ

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 長野県立美術館 1F オープンギャラリーで「公開制作 vol.4 原田裕規 ドリームスケープ」が開催される。

 作家が一定期間美術館に滞在して作品を制作し、その制作過程や完成した作品を公開する本企画。vol.4となる今年度は、とるにたらない視覚文化をモチーフに、テクノロジー、リサーチ、パフォーマンスなどを駆使して作品を制作している原田裕規を招聘。

 長野県民にとって、山々の連なる風景は日常であるとともに、多くの人を魅了する観光資源でもある。長野県立美術館は、コレクションポリシーのひとつとして、美しい山岳風景を描いた表現を挙げており、旅行や登山、避暑、疎開など様々な理由で長野に訪れ、描いてきた作家たちの風景表現を多数コレクションしている。他方、長野では、光学や印刷の技術が発達し主要な産業でもある。山を愛好し、それらを撮影・発表する人たちが大勢いることと、どこかつながりがあるのかもしれない。

 原田は、公開制作のために長野をリサーチするなかで、この「風景表現」と「印刷技術」というふたつのキーワードに関心を示した。今回の公開制作では、近年「ドリームスケープ」という名称でインターネットを中心に流行しているデジタル風景表現について考察・制作を重ねてきた原田が、長野の風景表現に向きあい、作品として昇華してく様子が公開。

 また、同館初の試みとして、NAMコレクション2024第Ⅲ期のゲストキュレーターを原田が担当。長野の風景が描かれた作品や、「荒野」をモチーフとした松澤宥の言葉の作品などを通じて、長野県の各地域と風景表現の関わりが示されることになる。