藤倉麻子「Sunlight Announcements / 日当たりの予告群」

　WAITINGROOMで、藤倉麻子の個展「Sunlight Announcements / 日当たりの予告群」が開催される。

　藤倉は、1992年埼玉県生まれ。2016年に東京外国語大学外国語学部南・西アジア課程ペルシア語専攻を卒業する。2018年に東京藝術大学大学院映像研究科メディア映像専攻修了。現代の都市に存在する原始的な呪術性を見出すことをテーマに、都市・郊外を横断的に整備するインフラストラクチャーや、それらに付属する風景の奥行きに注目し、おもに3DCGアニメーションの手法をもちいて作品制作を行なっている。

　近年では、埋立地や物流への興味から自主企画した物流型展覧会「手前の崖のバンプール」（2022、東京湾）や3DCG上で空き家を改修した｢Fixing Garden」（大村高広と共同、2022～）、青森県を舞台として後背地でのエネルギー生産の問題に取り組んだ「インパクト・トラッカー」（2023、国際芸術センター青森）など、自身のフィクショナルな想像力と現実の社会構造が交差する点を探っている。

　また、2025年に開催される、第19回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展の日本館展示「中立点—生成AIと未来」に、プロジェクトメンバーとして参加することが決定しており、ますます注目が集まっている作家だ。

　藤倉にとって3年ぶりの個展となる本展では、自身の制作活動の根源にあり、一貫して作品に取り込まれてきた「日当たり（Sunlight）」と「予告（Announcements）」をテーマに、新作の映像作品や平面彫刻をインスタレーション空間のなかに展開する。