EXHIBITIONS

特別展

心象工芸展

2024.09.06 - 12.01

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 国立工芸館で、特別展「心象工芸展」が開催される。

 工芸は素材に対する深い理解とそれに伴う技術で表現されているので「何が表現されているのか」といったことよりも「どのようにこの作品が制作されているのか」といった点に注目が集まりやすい。しかし実際には多くの工芸家が自身の心象や社会とのかかわりといったモチーフにも重点を置いて制作している。

 本展では、現代の表現を提示する6名の作家の作品を展示。刺繍の沖潤子は生命の痕跡を刻み込む作業として布に針目を重ねた作品を、ガラスの佐々木類は土地と自然の記憶を留める作品を、鋳金の髙橋賢悟は現代における「死生観」と「再生」をテーマにした作品を制作している。

 また、彫金の人間国宝である中川衛は世界各国の風景を抽象模様化した作品を、漆芸の中田真裕は心奪われた一瞬の光景を共有するための作品を、陶芸の松永圭太は自身の原風景と時間を留める地層を重ねモチーフにして作品を制作。本展覧会では、工芸家それぞれの技術だけでなく、いまを生きる作家の心の表現に注目する。