ル ラボがKYOTOGRAPHIEにあわせて京都で展覧会を開催。「スロー・パフューマリー」を空間でひらく初の試み
フレグランスブランド「ル ラボ」が創設20周年を記念して刊行する書籍『The Essence of Slow Perfumery』に着想を得た展覧会を、KYOTOGRAPHIEのサテライトプログラム「KG+」の一環としてル ラボ京都町家で開催している。加速する時代において「感覚に立ち返る」ことを問い直す本展は、香りをめぐる思考を静かにひらく試みだ。

ル ラボが掲げてきた「スローパフューマリー」
フレグランスブランド「ル ラボ」が創設20周年を記念して刊行する書籍『The Essence of Slow Perfumery』に着想を得た展覧会が、ル ラボ京都町家で開催されている。KYOTOGRAPHIEのサテライトプログラム、KG+の一環として発表された本展は、「スローパフューマリー」という哲学を通して、感覚、記憶、時間の関係を静かに問い直す試みだ。
ル ラボは「グラース生まれ、ニューヨーク育ち」という言葉でその出自を語る。香水産業の中心地として知られる南仏グラースと、加速度的に変化し続ける都市ニューヨーク。その対照的なふたつの土地にまたがる感性が、このブランドの基盤をかたちづくっている。
2006年、ニューヨーク・ノリータのエリザベス通りに最初のラボを構えたル ラボは、当初から「スローパフューマリー」という思想を掲げてきた。香水を大量生産された消費財ではなく、注文を受けてからその場で調合される個人的な体験として提示するこの方法は、効率化と速度を追い求める現代に対する静かなアンチテーゼでもあった。
そこにあるのは、たんなる製品開発ではなく、五感を呼び覚ますクラフツマンシップの実践である。香りは「すでに内側に存在する何か」を呼び起こす媒介であり、そのプロセス自体が人と世界との関係を再構築する契機となる。
本展がたんなるブランドのプロモーションではなく、展覧会として成立している理由もまた、この思想の延長線上にあると言えるだろう。























