2026.4.24

今週末に見たい展覧会ベスト11。Mr.の個展からエリック・カール、マルジェラまで

今週閉幕する/開幕した展覧会のなかから、とくに注目したいものをピックアップしてお届け。なお、最新情報は各館公式サイトを参照してほしい。

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もうすぐ閉幕

ケリス・ウィン・エヴァンス(草月会館1階 石庭「天国」)

「ケリス・ウィン・エヴァンス」展(草月会館1階 石庭「天国」) Courtesy of Sogetsu Foundation. Photo: Kenji Takahashi

 東京・赤坂にある草月会館1階の石庭「天国」で、タカ・イシイギャラリーによるケリス・ウィン・エヴァンスの個展が開催されている。会期は4月25日まで。

 ケリス・ウィン・エヴァンスは1958年ウェールズ・ラネリ生まれ。現在ロンドンを拠点に活動。主な個展として、オーストラリア現代美術館(シドニー、2025)、ポンピドゥー・センター・メッス(2024)、草月会館(東京、2023、2018)、アスペン美術館(2021)、ポーラ美術館(神奈川、2020)など。主なグループ展には、ミュンスター彫刻プロジェクト(2017)、ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展(2017)、愛知トリエンナーレ(2010)などがある。

 本展は、2018年と23年に草月会館で開催された個展に続く第3章。抽象的な大型ネオン作品に加え、マルセル・プルースト『失われた時を求めて』の日本語訳の一部をもとにした作品や、音を発するモビール作品を展示している。

会期:2026年3月28日〜4月25日
会場:草月会館1階 石庭「天国」
住所:東京都港区赤坂7-2-21 
開館時間:10:00〜17:00 
休館日:日
料金:無料

「MARTIN MARGIELA AT KUDAN HOUSE」(九段ハウス)

 ファッションブランド「メゾン マルタン マルジェラ」(現メゾン・マルジェラ)の創設者兼デザイナーであるマルタン・マルジェラ。その日本初となる大規模個展「MARTIN MARGIELA AT KUDAN HOUSE」が登録有形文化財・九段ハウス(kudan house)で4月29日まで開催されている。

 本展では、展示構成およびキュレーションをすべてアーティスト自身が手がけている。邸宅全体を舞台に、コラージュ、絵画、ドローイング、彫刻、アッサンブラージュ、映像作品など、多様な技法による作品を展示。来場者は様々な部屋を巡りながら、きわめて親密な距離で作品と向き合う体験へと招かれる。

会期:2026年4月11日〜29日
会場:九段ハウス
住所:東京都千代田区九段北1-15-9 
開館時間:10:00〜19:00(4月29日〜17:00) ※入場は閉館1時間前まで
休館日:無休 
料金:一般 2500円

今週開幕

「波板と珊瑚礁 - 建築を遠くに投げる八の実践」(WHAT MUSEUM

「波板と珊瑚礁 - 建築を遠くに投げる八の実践」展(WHAT MUSEUM)より、GROUP「都市と眠り」(2026) 映像:稲田禎洋 撮影:編集部

 東京・天王洲アイルのWHAT MUSEUMで、「波板と珊瑚礁 - 建築を遠くに投げる八の実践」展が開幕した。会期は9月13日まで。なお、本展では外部キュレーターとして、建築コレクティブ・SUNAKIメンバーの砂山太一が参画する。開幕レポートはこちら

 本展では、模型をたんなる完成予想の縮尺物としてではなく、概念や思考の断片を担うメディウムとしてとらえ、その拡張的な側面に焦点を当てる。効率や喫緊の課題解決が求められる現代において、建築もその例外ではない。模型を通じて長い時間軸のなかで環境や社会との関係を構想することで、建築的思考の射程をあらためて問い直すことを試みるものとなっている。

 出展作家は、ALTEMY、Office Yuasa、ガラージュ、GROUP、DOMINO ARCHITECTS、畠山鉄生+吉野太基+アーキペラゴアーキテクツスタジオ、平野利樹、RUI Architects。

会期:2026年4月21日〜9月13日
会場:WHAT MUSEUM
住所:東京都品川区東品川2-6-10 寺田倉庫G号
開館時間:11:00~18:00 ※入館は閉館1時間前まで
休館日:月(ただし、祝日の場合は開館し、翌火曜休館)
料金:一般 1500円 / 大学生専門学生 800円 / 中高生 無料 / 小学生 無料

「ゴールドマン コレクション 河鍋暁斎の世界」(サントリー美術館

「ゴールドマン コレクション 河鍋暁斎の世界」展(サントリー美術館)より、河鍋暁斎《百鬼夜行図屏風》(1871-89) 撮影:編集部

 東京・六本木のサントリー美術館で、幕末から明治にかけて活躍した絵師・河鍋暁斎(1831〜89)の多彩な画業を紹介する展覧会「ゴールドマン コレクション 河鍋暁斎の世界」が開幕した。会期は6月21日まで。

 本展は、イギリス在住の美術商、イスラエル・ゴールドマンが蒐集した暁斎作品を中心に構成。世界最大級の暁斎コレクションとして知られる同コレクションから、日本初出品を含む67件を含む選りすぐりの作品が出品されている。掛軸や巻物、屛風絵などの肉筆作品に加え、摺の鮮やかな版本・版画、下絵や絵日記など、暁斎の幅広い創作活動を一望する機会となっている。

会期:2026年4月22日〜6月21日
会場:サントリー美術館
住所:東京都港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン ガレリア3階
開館時間:10:00〜18:00(金および5月2日〜5日、6月20日は〜20:00) ※入館は閉館の30分前まで
休館日:火(ただし5月5日は開館)
料金:一般 1800円

「Mr.の個展:いつかある晴れた日に、きっとまた会えるでしょう。」(福岡アジア美術館

左から、Mr.《理紗緒 - キャンディスマイル -》(2026)890 x 960 x 53 mm、《みさを - 瞳の中の小さな世界 -》(2026)840 x 850 x 53 mm、《美奈緒 - オレンジキャンディ少女 -》(2026)800 x 900 x 53 mm すべて木材パネル、キャンバスにアクリル ©2026 Mr./Kaikai Kiki Co., Ltd. All Rights Reserved. 

 福岡県福岡市の福岡アジア美術館で、「Mr.の個展:いつかある晴れた日に、きっとまた会えるでしょう。」が開幕。会期は6月21日まで。担当は田川市美術館館長の工藤健志。

 本展は、Mr.の11年ぶりとなる国内個展であり、日本の公立美術館では初となる大規模個展となる。会場には、新作を含む平面作品、巨大立体作品、大規模インスタレーション、映像など80点以上の作品を展示。これらを通じて、Mr.の本質と魅力にせまる内容となっている。

会期:2026年4月24日~6月21日
会場:福岡アジア美術館 企画ギャラリー
住所:福岡県福岡市博多区下川端町3-1 リバレインセンタービル7階
開館時間:9:30〜18:00(金土〜20:00) ※入館は閉館の30分前まで
休館日:水(ただし休日の場合はその翌平日休館) 
料金:一般 1600円 / 高校・大学生 1000円 / 中学生以下 無料

「エリック・カール展 はじまりは、はらぺこあおむし」(東京都現代美術館

「『はらぺこあおむし』 表紙最終原画」(1987) エリック・カール絵本美術館 Collection of the Eric and Barbara Carle Foundation © 1969, 1987 Penguin Random House LLC.

 東京・清澄白河の東京都現代美術館で、アメリカを代表する絵本作家エリック・カール(1929〜2021)の回顧展「エリック・カール展 はじまりは、はらぺこあおむし」が開催される。会期は4月25日~7月26日。

 本展はカールの功績を振り返る回顧展。『はらぺこあおむし』日本語版50周年を記念し、米国・マサチューセッツ州にあるエリック・カール絵本美術館と共催されるものとなる。代表作である『はらぺこあおむし』(1969)や『パパ、お月さまとって!』(1986)、『10このちいさな おもちゃのあひる』(2005)など27冊の絵本の原画にあわせ、グラフィックデザイナー時代の作品、アイデアの最初の構想段階でつくられるダミーブック、コラージュに使用する素材(色や模様をつけた紙)など、約180点を展示。原画の色鮮やかさ、デザイナーとしての造本の工夫、そして絵本に込めた子供たちへの優しいまなざしを体験できる展覧会となるだろう。

会期:2026年4月25日~7月26日
会場:東京都現代美術館
住所:東京都江東区三好4-1-1 
開館時間:10:00〜18:00 ※入場は閉館の30分前まで
休館日:月(ただし5月4日、7月20日は開館)、5月7日、7月21日 
料金:一般 2300円 / 大学生・専門学校生・65歳以上 1600円 / 中高生 1000円 / 小学生以下 無料

「没後110年 日本画の革命児 今村紫紅」(横浜美術館

 明治から大正にかけて活躍し、35歳の若さでこの世を去った日本画家・今村紫紅(1880〜1916)。その短い生涯のなかで、日本画に新たな造形的・色彩的可能性を切り開いた紫紅の仕事を包括的に紹介する展覧会「没後110年 日本画の革命児 今村紫紅」が、横浜美術館で開催される。会期は4月25日〜6月28日。

 本展は、1984年に山種美術館で開催された回顧展以来、約40年ぶりとなる大規模な紫紅展であり、公立美術館での開催は初めてとなる。《熱国之巻》や《近江八景》(いずれも国指定重要文化財)といった紫紅の代表作を約180点を展示。画業を4章構成でたどり、その試行錯誤と到達点を多角的に検証する。

会期:2026年4月25日~6月28日
会場:横浜美術館
住所:神奈川県横浜市西区みなとみらい3-4-1
開館時間:10:00~18:00 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:木(ただし4月30日、5月7日は開館) 
料金:一般 2200円 / 大学生 1600円 / 中学・高校生 1000円 / 小学生以下無料

特別展「路上、お邪魔ですか?」(金沢21世紀美術館

鈴木康広《遊具の透視法》(2001) 撮影:川内倫子

 石川県金沢市の金沢21世紀美術館で、特別展「路上、お邪魔ですか?」が開催される。会期は4月25日〜9月26日。

 現代における「路上」は、所有や統治の枠組みが曖昧で、ときに制度へのレジスタンスによって自由を見出そうとするいっぽうで、排除の論理による不安定さも抱えている。本展では、路上をキーワードに作品や歴史的なできごと、言説を紹介し、現代における公共性がもつ課題を考える。

 本展の契機となったのは、1986年に赤瀬川原平や藤森照信らによって結成された「路上観察学会」の創設40周年だ。メディアを通して都市と自然が意図せず生み出した状況を共有した同会の活動を紹介するとともに、2020年に渋谷で起きた路上生活者殺害事件などの事例を通じ、他者の主観的ルールが衝突する空間としての側面にも注目する。

会期:2026年4月25日〜9月26日
会場:金沢21世紀美術館
住所:石川県金沢市広坂1-2-1
電話番号:076-220-2800 
開館時間:10:00〜18:00(金土~20:00) 
休館日:月(ただし5月4日、7月20日は開場)、5月7日、7月21日
料金:一般 1200円 / 大学生 800円 / 小中高生 400円 / 65歳以上の方 1000円

「田中信太郎―意味から遠く離れて」(世田谷美術館

田中信太郎《風景は垂直にやってくる》(1985)日立市郷土博物館 撮影:田村融市郎

 東京・世田谷の世田谷美術館で、「田中信太郎―意味から遠く離れて」が開催される。会期は4月25日〜6月28日。

 本展は、前衛芸術家としてつねに新たな作品の在り方を提示し続けた田中の、東京では初となる回顧展だ。日本未発表の70年の絵画作品から、晩年に探求し続けていた平面作品、そして亡くなるまで継続して制作した金属によるドローイングまで、アトリエに遺された作品を中心に40点弱で構成される。さらに60〜70年代にかけて、世田谷の祖師谷にアトリエを構えていたときの作品図面や資料もあわせて展示される貴重な機会となる。

会期:2026年4月25日〜6月28日
会場:世田谷美術館
住所:東京都世田谷区砧公園1-2
電話番号:03-3415-6011
開館時間:10:00~18:00 ※入館は閉館の30分前まで 
休館日:月(ただし5月4日は開館)、5月7日
料金:一般 1400円 / 65歳以上 1200円 / 大高生 800円 / 中小生 500円 / 未就学児 無料

「驚異の部屋の私たち、消滅せよ。」(大阪中之島美術館

 関西を拠点に国際的な活動を展開してきた森村泰昌ヤノベケンジやなぎみわ。この3名による初の大規模展「驚異の部屋の私たち、消滅せよ。」が、大阪・中之島の大阪中之島美術館で開催される。会期は4月25日〜7月20日。

 本展は、森村の呼びかけにヤノベケンジ、やなぎみわが応答するかたちで実現したもの。展示は新作を中心に構成され、各作家のこれまでの活動を凝縮した「驚異の部屋」となることを目指す。さらに、3人による初の共同制作も発表される予定となっている。

会期:2026年4月25日〜7月20日
会場:大阪中之島美術館
住所:大阪府大阪市北区中之島4-3-1
電話番号:06-4301-7285(大阪市総合コールセンター、8:00〜21:00)
開館時間:10:00〜17:00 ※入場は閉場30分前まで 
休館日:月(ただし4月27日、5月4日、7月20日は開館) 
料金:一般 1900円 / 高校・大学生 1300円 / 小・中学生 500円

企画展「若冲にトリハダ! 野菜もウリ!」(福田美術館

伊藤若冲《果蔬図巻(部分)》福田美術館 通期展示

 京都・嵐山の福田美術館で、伊藤若冲(1716〜1800)の名作《菜蟲譜(さいちゅうふ)》と、新たに発見された《果蔬図巻(かそずかん)》を同時に展示する企画展「若冲にトリハダ! 野菜もウリ!」が、4月25日〜7月5日の会期で開催される。若冲芸術の核心とも言える2つの巻物が並んで公開されるのは史上初。

 《菜蟲譜》(展示期間:4月25日〜5月8日、6月20日〜7月5日)は、全長約11メートルに及ぶ絹本着色の巻物で、前半に野菜や果物、後半に昆虫や爬虫類などの小動物を描いた、若冲晩年の代表作。国の重要文化財に指定され、佐野市立吉澤記念美術館が所蔵する。本作が関西で展示されるのは2018年以来、約8年ぶりとなる。

 いっぽうの《果蔬図巻》は、2023年に新たに発見され、福田美術館の所蔵となった作品。寛政2年(1790)、若冲が75歳以前に描いたとされ、全長約3メートルの画面に、瑞々しい野菜や果物が豊かな色彩で描かれている。約1年に及ぶ修理を経て、今回の展覧会で本格的に公開される。

会期:2026年4月25日~7月5日 [前期]4月25日~6月1日/[後期]6月3日~7月5日
会場:福田美術館
住所:京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町3-16
開館時間:10:00~17:00 ※入館は16:30まで 
休館日:5月12日、6月2日、6月16日
料金:一般・大学生 1500円 / 高校生 900円 / 小中学生 500円 / 障がい者と介添人1名まで 各900円 / 乳幼児 無料