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2026.4.23

キュレーターとアーティストが選ぶ、ゴールデンウィークに行きたい世界のアート目的地

大型連休の旅先として、いま世界のどこへ向かうべきか。アートを手がかりに都市を読み解く視点から、日本で活躍するキュレーターとアーティスト5名が、それぞれおすすめの海外アート目的地を選出した。現地の最新動向から訪れるべきスポット、滞在の楽しみ方までをガイドする。※4月24日24時まで、すべての方に全文お読みいただけます。

バンコクの景色 撮影=岩田智哉
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01. バンコク・タイ 選・文=岩田智哉(キュレーター)

 いままさに、目まぐるしくアートシーンが塗り替えられている都市。それが、タイのバンコクです。2025年末に新しくオープンした国際現代美術館「ディブ・バンコク(Dib Bangkok)」や、国際的に活躍するキュレーターのゾーイ・バット(Zoe Butt)をアーティスティック・ディレクターに起用し、今後オープン予定のタイ大手企業のセントラル・グループ(Central Group)によるアートセンター「deCentral」など、アートシーンのインフラがいままさに音を立てながら変化しています。

 そのいっぽうで、昨年10月に開催された、アマル・カラフがキュレーションした映像作品中心の芸術祭「Ghost 2568: Wish We Were Here」も記憶に新しく、その他実験的でオルタナティブな活動も活発です。また、2018年から開催されている「バンコク・アート・ビエンナーレ」といった国内外のアーティストが一堂に会する芸術祭に加え、Nova ContemporaryやSAC Galleryなど、国際的なアートフェアにも出展するギャラリーもあり、まさに東南アジアのアートシーンのハブとして機能し始めています。

バンコクの野良猫 撮影=筆者

現地で訪れるべき美術館・ギャラリー・エリア

Dib Bangkok

 タイ初の国際現代美術館。コレクターの故ペッチ・オサタヌグラ氏の意志を引き継いで、2025年末にオープンしました。ローカルとグローバルをつなげ、東南アジアから新たなかたちで現代アートを発信していくことを目指しています。現在は、国内外の錚々たるアーティストが名を連ねるオープン記念展「(In)visible Presence」が開催中です(〜8月3日)。

100 Tonson Foundation

 バンコク中心部に位置する、主にタイ出身のアーティストを精力的に紹介する財団。多くの企画にキュレーターが入っており、展覧会を通して国内のアーティストを文脈化していく意志が感じられます。タイのアーティストの実践を知るうえで、欠かせないスペースです。現在は、タイを代表する現代アーティストのひとり、アラヤー・ラートチャムルンスックの個展「Textually」を開催中です(〜5月31日)。

100 Tonson Foundationで開催された「Matrilineal」展(2023年11月30日〜2024年5月26日)の様子 撮影=筆者

STORAGE

 2022年にオープンしたアーティスト・ラン・スペース。少し落ち着いた中心部の西側に位置し、コンクリートの無骨な雰囲気と窓から差し込む外光、そして空間内で存在感を放つガラスのショーケースのような構造が特徴的なスペースです。若手アーティストを中心とした展覧会に加え、イベントや対話など、バンコクのアートシーンのエネルギーに触れられる場所です。

STORAGEの内部 撮影=筆者

滞在の楽しみ方

 バンコクには、BTS(スカイトレイン)やMRT(地下鉄)など電車網が整備されていますが、おすすめはバイクタクシーでの移動です。

 車のタクシーもありますが、バンコクの道路はいつも大渋滞なので、車の間をぬうようにスルスルと進んでくるバイタクはスリリングでそれだけでもワクワクです!

 東西に広がるバンコクのアートシーンは、ビジネス街から文化的な地区まで、エリアごとに雰囲気がまったく異なります。そうした空気の違いやそれと重なり合うアーティストの実践を、バイクの後ろに乗りながら地続きなものとして身体的に直接体験できるのはこの都市の醍醐味かもしれません。

バイタク後部座席からの様子 撮影=筆者
いわた・ともや

1995年愛知県生まれ、キュレーター。東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科修了。アジア各地のオルタナティヴ・スペースを訪れ、それぞれのローカルのアートシーンにおけるオルタナティヴとインスティテューションのダイナミズムについてのリサーチを行う。また、自身もそのようなスペースを運営する実践者として、展覧会に限らない広義のキュラトリアル実践を通して、既存のシステムに対するオルタナティヴの可能性を模索する。2022年4月より、キュラトリアル・スペース「The 5th Floor」のディレクターを務める。

02. ブリュッセル・ベルギー 選・文=宮澤佳奈(キュレーター)

 ブリュッセルといえば、フランドル美術を思い浮かべる方が多いかもしれない。いっぽうで、現代美術や舞台芸術を含む多様な文化機関が共存することで知られる都市でもある。今年11月には新たな美術館/カルチャー・センター「KANAL-Centre Pompidou」の開館が予定されており、芸術文化都市としての存在感は今後さらに高まっていくだろう。

現地で訪れるべき美術館・ギャラリー・エリア

WIELS

 元ビール工場を改装した現代美術センターで、ブリュッセルの現代美術シーンを語るうえで欠かせない場所である。産業遺産である建物の様々なスペースを活かし、ダイナミックな展示が展開されることも多い。アーティスト・イン・レジデンスも併設され、多様な国籍のアーティストの交流の場として機能している。

WIELSの外観 撮影=筆者

エルメス財団ラ・ヴェリエール

 キュレーターを務めるジョエル・リフが提案するのは、「拡張的個展(extended solo)」というユニークな枠組みである。1人/組のアーティストによる個展でありながら、同時にほかのアーティストの作品や、時代や文脈を超えたオブジェクトが空間に配置され、個展という制度そのものを再考させる試みともいえる。各スペースのキュレーションの独立性を尊重するエルメス財団ならではの実践として、注目したい。

Horst Arts and Music

 ゴールデンウィーク翌週に開催されるこちらは、美術と音楽を横断する「フェス」である。人気DJによるステージと並行して、アーティストによる作品やパフォーマンスが展開される。昨年出展したアーティストのひとりは、自身のインスタレーションの内部でフェス参加者が思い思いに滞在していた様子を楽しげに語っていた。ユースカルチャーの一部としての現代美術を体感する機会にいかがだろうか。

滞在の楽しみ方

 欧州連合(EU)の本拠地があることでも知られるブリュッセルは、国際政治の議論と切っても切れない場所である。しかし、街中では文化芸術の営みがつづき、友達同士がカフェでお茶をしている。世界情勢や環境問題を鑑みると、海外旅行がやけに能天気なものに思えることは事実だ。しかし、美術を見に行くために見知らぬ地を訪れることができるというのは、それ自体、私たちが住む世界の複雑さと豊かさの証明のようにも思える。 

WIELSで開催された「Magical Realism: Imagining Natural Dis/order」展(2025年5月29日〜9月28日)の様子 撮影=筆者
みやざわ・かな

金沢21世紀美術館学芸員。メルボルン大学美術史・人類学専攻卒業。オーストラリアの美術機関、日本のコマーシャルギャラリー等での勤務を経て、東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科アートプロデュース専攻修士課程修了。2025年より現職。

03. ダカール・セネガル 選・文=アレクサ・クミコ・ハタナカ(アーティスト)

 ゴールデンウィークの渡航先として、セネガルのダカールをおすすめしたい。今年は第19回を迎えるダカール・ビエンナーレ「Dak’Art」が開催される年であり、同展はアフリカでもっとも長い歴史を持つ現代美術展として、アフリカおよびディアスポラのアーティストに焦点を当ててきた。ゴールデンウィーク期間中は会期外となりますが、ダカールがアート、ファッション、音楽の活気に満ちたハブであることを示す重要な指標である。

ダカールの様子 Photo by Joseph Mpalirwa 写真提供=筆者

現地で訪れるべき美術館・ギャラリー・エリア

RAW Material Company

 まず訪れたいのは、今年の第61回ヴェネチア・ビエンナーレのキュレーターでもある故コヨ・クオが創設した「RAW Material Company」。ここではアーティスト一人ひとりに寄り添ったレジデンス・プログラムが展開されており、トークや展覧会オープニングなど多様なプログラムが頻繁に開催されている。さらに、スタッフが丁寧に紹介してくれる充実したライブラリーも特徴的である。屋外にはリラックスできる開放的なスペースもあり、数時間を過ごすのにも最適な場所だ。彼らの言葉を借りれば、「RAWはアフリカにおける芸術的・知的創造性の理解と発展を促進することを目的とし、そのプログラムは文学、映画、建築、政治、ファッション、食文化、ディアスポラといった多領域から影響を受けている」。

Maison Ousmane Sow

 また、セネガルを代表する彫刻家ウスマン・ソウの旧スタジオを公開した美術館「Maison Ousmane Sow」も必見だ。床や壁には泥や粘土といった素材の痕跡が残り、まるで制作がつい先ほどまで行われていたかのような臨場感が漂う。各部屋には、躍動感あふれる大型彫刻が展示され、アフリカの歴史や物語を力強く語りかけてくる。

Selebe Yoon

 ダカール中心部に位置する「Selebe Yoon」もぜひ訪れたいギャラリー。1952年築のモダンな建築を活用した約1000平米の空間で、近年のダカールにおける新たな動向を体感できる場所だ。オープニングには若いアーティストたちのエネルギーが満ちており、最近ではパップ・ソウレイ・フォール(Pap Souleye Fall)による大規模なサイトスペシフィック・インスタレーション《NITTE MOY GARABAM》(2026)が発表された。キュラトリアルな視点と詩的な表現が融合したプログラムが特徴である。

パップ・ソウレイ・フォール《NITTE MOY GARABAM》(2026)の展示風景 写真提供=筆者

Galerie Atiss

 さらに、ダカールの伝説的なテキスタイルデザイナー、アイサ・ディオンが手がける「Galerie Atiss」もおすすめしたい。ここでは素材やプロセスに深く向き合うアーティストたちを紹介し、伝統工芸と現代表現を横断する実践が展開されている。テキスタイルやインテリアデザインの分野でも知られるディオンの視点は、ダカールで手織りされるアフリカの織物文化を現代的に再解釈するものでもある。彼女のブランド「Aissa Dione Tissus」では、美しい手仕事による衣服やホームウェアも手に入る。

 こうしたテキスタイル文化を背景に、ダカールではファッションも重要な芸術表現のひとつとして展開されている。とくにローカルブランド「Nio Far」は、伝統的なテキスタイルと神話的モチーフを融合させた独自のデザインで注目されている。アトリエ訪問はInstagramアカウント「niofarbymilcos」へのDMで予約可能だ。

滞在の楽しみ方

 アートスポット巡りの合間には、ダカールの豊かな自然や食文化、音楽シーンもぜひ体験したい。クライミングスポット「Mamelles escalade」では、美しい岩場や展望スポット、ビーチから海を楽しむことができる。近隣のAlmadiesエリアには海沿いのシーフードレストランが集まり、とくに牡蠣やウニは絶品である。夜になるとライブ音楽やダンスが始まり、街はさらに活気を増す。

 早い時間帯から楽しめるルーフトップのDJイベント「Trams」も人気のスポットであり、個人的にはアフロポップが中心に流れるクラブ「Patio」がお気に入りだ。ナイトクラブ巡りの締めくくりに最適な場所である。ただし、本格的に盛り上がるのは深夜1〜2時以降である点には注意してほしい。

「THE ART OF BEING, BLACK WOMEN」展(黒人文明博物館)で展示中のアレクサ・クミコ・ハタナカ《crashing》(2025)。ダカールのブラックロック・セネガルでつくられた手漉き紙に藍染めの手法を使い、アバカ、楮、地元の稲わらが用いられている
Alexa kumiko Hatanaka

アーティスト。手漉き和紙や天然染料、リノカット、魚拓など、自身のルーツに基づく伝統的かつ持続可能なクラフト技術を横断的に用いた作品を制作。紙を縫い合わせた彫刻や大規模な版画インスタレーション、協働的なパフォーマンス、ウェアラブルな和紙作品などを通じて、気候変動やメンタルヘルスといった現代的課題に取り組む。カナダ北極圏ヌナブトでのコミュニティに根ざした活動や自身の経験を背景に制作を行う。現在、ダカールの黒人文明博物館で開催中の「THE ART OF BEING, BLACK WOMEN」展に参加しており、第61回ヴェネチア・ビエンナーレにも出展予定。

04. ロンドン・イギリス 選・文=齋木優城(キュレーター)

 昨今の情勢下で、海外の動向を身近に感じる機会は限定的になっている。ロンドンにおいても政治や経済に対する不安は広がっているが、そんななかでもこの場所に集まり、学び、結束しあうアーティストたちの姿があることも事実である。ロンドンには、大英博物館など大規模なミュージアムが多く存在し、観光名所となっている。しかし、中心部から少し足を伸ばせば、この街に暮らす人々の生活に寄り添ったアートシーンが見えてくるだろう。

現地で訪れるべき美術館・ギャラリー・エリア

Barbican Centre

 「バービカン・センター」は、ロンドン中心部にある巨大な集合住宅「バービカン・エステート」の敷地内にある文化複合施設である。現在、アートギャラリーではコロンビア人アーティスト、ベアトリス・ゴンサレスの英国初個展(〜5月10日)が開催されており、毎週一部時間帯には「Pay What You Can(自分の支払える金額に応じて入場料を決める仕組み)」が導入されている。剥き出しのコンクリートが特徴的なブルータリズム建築もみどころ。

Barbican Centreの中庭。入場無料で、訪れる人々がくつろげる公共空間である 撮影=筆者
Barbican Centreで開催中のベアトリス・ゴンサレス展(2026年2月25日〜5月10日)の様子 撮影=筆者

Gasworks&South London Gallery

 Gasworksは、展示スペースとアーティスト・イン・レジデンスプログラムを提供する非営利美術団体。英国内外の若手作家に張るアンテナは随一で、若手作家にとって登竜門的な存在のスペースである。また、South London Galleryでは、ロンドンの美術館でまだ個展を開いたことのない作家を支援しており、住民たちが無料で質の高い現代アートに触れられる機会を創出している。帰り道には、ギャラリーを併設したカフェバーのPeckham Pelicanに立ち寄れば、アーティストレクチャーやオープンマイクのイベントに出会うかもしれない。

Gasworksで開催された「Umi Ishihara: Nocturnal Melody」展(2026年1月22日〜3月22日)の様子 撮影=筆者
South London Galleryで開催された「New Contemporaries」展(2026年1月30日〜4月12日)の様子 撮影=筆者

滞在の楽しみ方

 ロンドンでは、テムズ川を境に街の雰囲気ががらりと変わる。Gasworksはポルトガル語話者が多く「リトル・ポルトガル」とも呼ばれるランベス地区に、South London Galleryはナイジェリア系が多く「リトル・ラゴス」とも呼ばれるペッカム地区にある。アートスポットをめぐる道すがらサウスイースト・ロンドンの商店街を歩けば、商店に並ぶ色鮮やかなテキスタイルや、アフリカ料理レストランの賑わいに目が奪われる。ここで見ることができるのは、同じ国のなかで様々な国籍・文化的背景を持つディアスポラたちが地元で独自の豊かなコミュニティを築いている光景だ。このことは、アーティストたちにとっても大きなインスピレーションとなっている(*1)。この重層性を体験することこそが、ロンドンで生まれるアートシーンを理解するための重要な補助線となるだろう。

Peckham Pelicanの内部 撮影=筆者

*1──例えば、現代イギリスを代表する作家のひとりであるインカ・ショニバレCBEの作品には、サウスロンドンの下町でよく見かける「ダッチ・ワックス・プリント」が頻繁に使用される。この布は、もともとはインドネシアの伝統的なろうけつ染め「バティック」の技法にルーツがあるが、19世紀にオランダがその生産を機械化し輸出したことで、西アフリカや中央アフリカで人気を博すようになった。ショニバレはこの布をアジアとヨーロッパ、そしてアフリカにおける複雑な植民地主義の影響と、矛盾に満ちた文化的混淆の象徴として捉えている。Mehrez, A. (2014). ‘The British Library’, Tate.https://www.tate.org.uk/art/artworks/shonibare-the-british-library-t15250 [Accessed 12 Apr. 2026]. 

さいき・ゆき

東京藝術大学大学院美術研究科芸術学専攻修士課程およびGoldsmiths, University of London MA in Contemporary Art Theory修了。国立新美術館学芸課研究補佐員、Avant Arteなどを経て現在はThe Chain Museumが運営する「Gallery 舞台裏」キュレーター。

05. パリ・フランス 選・文=草野絵美(アーティスト)

 パリを訪れるたびに感じるのは、生活のすぐそばに文化や表現が当然のように存在する、街としての懐の深さです。細部に神が宿るような繊細な美意識を共有している感覚があり、幸運なことに、仕事での滞在を機にこの街の多層的な魅力に触れる機会が多くありました。現在はポンピドゥー・センターが長期改装中ということもあり、エネルギーが各地の私設美術館やギャラリーに分散して、かえって街全体にフレッシュな流動性が生まれているように感じます。

現地で訪れるべき美術館・ギャラリー・エリア

ブルス・ドゥ・コメルス(ピノー・コレクション)

 なかでも一番好きな場所は「ブルス・ドゥ・コメルス」です。18世紀の商品取引所という歴史的な建築の内部に、安藤忠雄氏によるミニマルな円筒空間が挿入された構造は圧巻。ひとりのコレクターの情熱が結集した展示は、空間そのものがひとつの巨大なインスタレーションとして機能しています。

ブルス・ドゥ・コメルス(ピノー・コレクション)で開催された「Echo2: a Carte Blanche to Philippe Parreno」展(2022年6月22日〜9月26日)の様子 撮影=筆者

パレ・ド・トーキョー&パリ市立近代美術館

 また、パレ・ド・トーキョーという現代アートの生々しい実験場を堪能したあと、同じ建物内にあるパリ市立近代美術館へ寄り、ラウル・デュフィの巨大壁画《電気の精》などの近代美術を対比させながら巡るのも、この街ならではの贅沢な時間です。

パレ・ド・トーキョーで開催された「SIGNAL (Mohamed Bourouissa)」展(2024年2月16日〜6月30日)の様子 撮影=筆者

ペロタン

 マレ地区へ足を伸ばせば、歩くだけで楽しい街並みのなかに魅力的な雑貨屋や、歴史的な邸宅を贅沢に使ったペロタン(Perrotin)のようなメガギャラリーが点在しており、世界の最前線の表現を無料という驚くべき身近さで体感することができます。

ペロタンで開催された「Beast (Klara Kristalova)」展(2024年4月13日〜6月1日)の様子 撮影=筆者

滞在の楽しみ方

 昨今の急激な円安の影響で、海外での滞在にハードルを感じる場面も少なくありません。私はAirbnbを利用して暮らすように滞在し、スーパーで新鮮な食材を調達して自炊を取り入れることで、予算を抑えつつ豊かな生活を維持するようにしています。フランスでは飲食店でのパンの提供が無料となっているため、街角の絶品クレープやレストランのバゲットを賢く楽しむのも手です。重厚な建築と最新のデジタル表現が溶け合うパリの多層的なレイヤーを、ぜひ等身大の視点で楽しんでみてください。

くさの・えみ

1990年東京都生まれ。複数の領域や手法を複合的に用いて制作を行うマルチディシプリナリー・アーティスト。20ヶ国以上で作品を発表。2025年には、世界経済フォーラムのヤング・グローバル・リーダーに選出。過去と現在の対話をレトロフューチャーな美学のもとに可視化することで、現代社会を捉え直す視点を観る者に投げかける。