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2026.8.19

2026年下半期に行きたい、世界の注目アートフェア&芸術祭まとめ

世界各地で主要なアートフェアや芸術祭が相次ぐ2026年秋冬。フェアとビエンナーレを一度に巡る旅も視野に、9月から12月までの注目イベントを月別・地域別に紹介する。※8月20日24時まで、すべての方に全文お読みいただけます。

「アート・バーゼル・マイアミ・ビーチ」のイメージ Courtesy of Art Basel
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9月

韓国

 9月のアートカレンダーは韓国から始まる。ソウルでは9月2日〜5日に「フリーズ・ソウル」、2日〜6日に「Kiaf SEOUL」がともに江南区のCOEXで同時開催。フリーズ・ソウルには30ヶ国・地域から125以上、25周年を迎えるKiafには18ヶ国・地域から175のギャラリーが参加する。会期前後には漢南洞(ハンナムドン)、清潭洞(チョンダムドン)、三清洞(サムチョンドン)で夜間開廊などを行う「Neighborhood Nights」もあり、街全体を巡りたい。

「フリーズ・ソウル2025」より、「フリーズ・ライブ」の様子 Photo by Wecap Studio. Courtesy of Frieze

 さらに今年は、ソウルからほかの地域へ足を延ばす絶好の機会でもある。8月29日にはエヴリン・シモンズとアマル・カラフが共同芸術監督を務める「釜山ビエンナーレ」が開幕し、9月5日にはホー・ツーニェンを芸術監督に迎えた第16回「光州ビエンナーレ」もスタート。フェアと国際展を組み合わせて韓国のアートシーンを横断できる。

日本

 韓国のアートウィークに続き、9月11日〜13日には横浜で「Tokyo Gendai」が開催される。4回目となる今年は63のギャラリーが参加し、写真を含む紙や印刷物に焦点を当てた新セクター「Miki ‘Trunk’」も登場。ソウルから横浜へ移動すれば、9月前半に東アジアのアートマーケットを続けて見ることができる。

2025年の「Tokyo Gendai」の会場風景

アメリカ

 月末の目的地はニューヨーク。9月24日〜27日には「The Armory Show」がジャヴィッツ・センターに30ヶ国以上から約230のギャラリーを迎える。同じ日程には、20世紀美術を再考するフェア「Independent 20th Century」も開催。5回目となる今年は会場を初めてマルセル・ブロイヤー設計のザ・ブロイヤーへ移し、57の出展者が130作家以上を紹介する。大型フェアとキュレーション色の強いフェアを行き来できる、密度の高いニューヨーク滞在になりそうだ。

10月

ヨーロッパ

 10月にヨーロッパを訪れるなら、まずはロンドンへ。10月14日〜18日、「フリーズ・ロンドン」と「フリーズ・マスターズ」がリージェンツ・パークで開催され、両フェアには48ヶ国・地域から約300のギャラリーが集まる。フリーズ・ロンドンではキャロル・インホワ・ルー(盧迎華)がキュレーションする新セクター「The Code Universe」も展開されるなど、フェアとともに市内各所の展覧会を巡るフリーズ・ウィークを楽しみたい。

「アート・バーゼル・パリ2025」の様子 Courtesy of Art Basel

 翌週はパリへ移動し、10月23日〜25日の「アート・バーゼル・パリ」へ。今年はカリム・クリッパのディレクター就任後初の開催となり、グラン・パレに41ヶ国・地域から200以上の出展者が参加する。ロンドンとパリを結ぶ旅程に余裕があれば、少し足を延ばして国際展を組み込むのもいい。ヴェネチアではコヨ・クオが構想した「第61回ヴェネチア・ビエンナーレ」が11月22日まで開催中。また、ドイツ・ルール地方の4都市・12の旧教会を舞台とする「マニフェスタ16」は10月4日までなので、月初に渡欧するならこちらも候補に入れたい。

東南アジア・台湾

 いっぽう、東南アジアに目を向けると、10月2日〜4日に「アート・ジャカルタ」がジャカルタのJIExpo Kemayoranで開催され、アジア各地から73のギャラリーが参加する。続く10月15日〜18日には、クアラルンプールで新たなアートフェア「ART KL」が初開催。1990年以降生まれの東南アジアの若手作家に焦点を当て、10ギャラリーによるプレゼンテーションを展開する。そして月末の29日には第5回「バンコク・アート・ビエンナーレ」が開幕。「ANGELS & MARA」をテーマに、寺院、美術館、商業施設などタイ・バンコク各地を舞台に展開される。

第5回「バンコク・アート・ビエンナーレ」の会場のひとつ、ワット・アルン(暁の寺) Courtesy of Bangkok Art Biennale and the venue

 さらに10月30日〜11月2日には、台北世界貿易センター1館で「ART TAIPEI 2026」が開催される。毎年秋の台北を代表するアートフェアであり、アジア太平洋地域における国際的なアート交流のプラットフォームとしても注目したい。

11月

日本

 11月前半は日本から。東京では11月4日〜8日に「アートウィーク東京(AWT)」が開催され、過去最多となる55の美術館・ギャラリーが参加する。都内各所を巡る無料シャトルバス「AWT BUS」に加え、今年は「AWT FOCUS」が10会場へと拡大。街を移動しながら東京のアートシーンを横断できる5日間となる。

2025年のACK会場風景 Courtesy of ACK. Photo by Moriya Yuki

 そのまま西へ向かえば、11月7日〜9日には京都で「Art Collaboration Kyoto(ACK)」が開催。6回目となる今年は18ヶ国・地域から63のギャラリーが参加し、日本と海外のギャラリーがブースを共有する「ギャラリーコラボレーション」などを展開する。東京と京都を続けて巡ることで、日本のアートシーンを異なる角度から体験できそうだ。

中国

 続いて向かいたいのが上海。11月10日〜15日には「West Bund Art & Design」、12日〜15日には「ART021」といった2つのフェアが開催される。West Bundは2014年の創設以来、国内外のギャラリーとともに上海のアートシーンを牽引してきた。いっぽう14回目となるART021は上海展覧中心を会場に、中国の現代美術と国際的なアートマーケットをつなぐプラットフォームを掲げる。2つのフェアに加え、この時期に集中する美術館やギャラリーの展覧会も含めて巡りたい。

中東・アフリカ

 11月19日〜22日には、中東のアラブ首長国連邦(UAE)で新たに「フリーズ・アブダビ」が初開催を予定している。ただし、アメリカ・イスラエルによる対イラン戦争の影響もあり、現時点では予定通り開催されるかについて今後の発表を確認したい。

 同じ11月19日には、セネガル・ダカールで第16回「ダカール・ビエンナーレ(Dak’Art)」が開幕する。12月19日までの1ヶ月間、アフリカ大陸とディアスポラ・アーティストの現代美術を紹介する国際展やナショナル・パビリオン、関連企画などが展開される予定だ。近年、国際的な存在感を高めるダカールのアートシーンを実際に訪ねるきっかけとしても注目したい。

12月

アメリカ

 12月に入ると、アート界のカレンダーもいよいよ終盤へ。年内最後の大きな目的地となるのが、アメリカ・マイアミだ。12月1日〜6日の「Design Miami」に続き、4日〜6日には「アート・バーゼル・マイアミ・ビーチ」が開催。後者には世界各地から主要ギャラリーが集まり、近代から最新の現代美術までを紹介する。

「アート・バーゼル・マイアミ・ビーチ」の会場 Courtesy of Art Basel

 この時期のマイアミの魅力は、メインフェアだけではない。市内では「NADA Miami」や「Untitled Art」などのサテライトフェアが相次いで開催されるほか、美術館やコレクション、ギャラリーも展覧会やイベントを展開。街全体が巨大なアートウィークへと変貌する。マイアミ・アートウィークを終えると欧米のアート界はクリスマス休暇へと向かい、春から続いた国際的なアートカレンダーもひと段落する。

オーストラリア

 いっぽう、季節が夏へと向かう南半球では、12月13日にオーストラリア・メルボルンで「NGVトリエンナーレ2026」が開幕する。4回目となる今回は、35ヶ国から約100組のアーティストやコレクティブが参加。NGVインターナショナルの全館を使い、25点の世界初公開となるコミッションを含む80以上のプロジェクトを展開する。

アヨン・キム《Delivery Dancer's Arc: Inverse》(2024) Photo © Courtesy of the artist

 ジェニー・ホルツァー、ヴォルフガング・ティルマンス、ザネレ・ムホリ、サラ・ジー、シルパ・グプタ、ウー・ツァン、オーシャン・ヴオンら国際的な作家に加え、オーストラリアのアーティストも多数参加。現代美術のみならずデザイン、建築、ファッションまでを横断し、「変容」を様々な角度からとらえる。会期は2027年4月11日まで、入場無料。

 2026年の後半も、世界各地で大型展やアートフェアが目白押し。本記事とあわせて「2026年下半期に開館する、世界の注目美術館・アート施設8選」もチェックしながら、展覧会だけでなく新しい美術館や、その土地のアートシーンまで組み込んだ旅を計画してみてはいかがだろう。