EXHIBITIONS

小野耕石展

養清堂画廊
2021.08.30 - 09.11

小野耕石 Looprint.59 2020

 アーティスト・小野耕石の個展が銀座の養清堂画廊で開催されている。9月11日まで。

 小野は1979年岡山県生まれ。東京藝術大学美術研究科修士課程絵画専攻版画科修了。無数の点を並べたシルクスクリーンの版を、色を変えながらおよそ60〜100回刷り重ねてインクの柱をつくり、見る角度によって様々に変化する立体的な平面作品を制作している。また立体やインスタレーションも手がけ、版画表現の可能性を追求している。

 平面作品を中心とした本展では、2021年から制作を開始したインク本「NEW ENLIGHTENMENT」を出品。またサイズアップした「Looprint」なども展示する。

「NEW ENLIGHTENMENT」は、スクリーンプリントで数百版分の刷り上げられたインクの層によってかたちづくったもの。刷り上げられたインクの層は刷られた支持体から独立し、作家の「刷った」いう行為だけが物体となって現れ、それ自体が自立する作品だ。

 いっぽう「Looprint」は、作品を作品たらしめているモノは何か、完成と未完成の「間」には何があるのかという問いのもと、小野はその間が現れるまで、一定の行為を繰り返し制作を続けている。