EXHIBITIONS

クレマン・ドゥニ「In Search of Light」

 ホワイトストーンギャラリー銀座新館で、クレマン・ドゥニによる個展「In Search of Light」が開催される。会期は7月25日〜8月30日。

 クレマン・ドゥニは1991年、フランスのソミュール生まれ。現在はパリ郊外のヴェトゥイユを拠点に活動している。かつてモネの旧居に住んでいた経験から、その地に根付く印象派の遺産に大きな影響を受ける。パリ国立高等美術学校(École nationale supérieure des beaux-arts de Paris、ENSBA)を卒業し、フィギュラシオン・リーブル運動の中心人物であるフランソワ・ボワロンに師事した。ヨーロッパ、アメリカ、アジアで個展やグループ展を開催し、2024年3月には台湾のZhengbin Harbour Museum of Artにてアーティスト・イン・レジデンスに参加。2019年にはManifesto誌において「最も将来有望な新進アーティスト7名」のひとりに選ばれている。

 本展についてドゥニは次のようにコメントしている。

  「絵を描くとき、私は触れることのできないものを探している-乱舞する光、移動する空気、嵐の前の静けさ、など。この探究のさなかで、思いがけないものを見つけた。すなわち『香り』である」
 
 今回の展示は、ドゥニが探究してきた光・動性・記憶の痕跡をとどめた一連の作品を巡る旅ともいえる。ドゥニのプロジェクトである「風を描く」(調香師ウゴ・シャロンとのコラボレーションで製造されたフレグランスが絵画の一部に塗布)のように、絵画と目に見えないものとの関係が紹介される。

 展示作品は「Oiseaux laissés pour trace(痕跡のための鳥)」などの現行シリーズから、「Chroniques temporelle de Vétheuil I(ヴェトゥイユの儚い年代記 I)」といった大作まで多岐にわたる。各作品の筆致や息遣いを通じて、そこに光を感じることができるだろう。