「にぎやかな民具」。これなーんだ?
一般の人々が日常の暮らしのなかで生み出し、使い続けてきた「民具」。一見ただの古い道具に見えるかもしれませんが、様々な切り口から観察してみることで、ユニークな造形や意外な機能性といった「デザインの工夫」に気がつくことができます。第10回目は「にぎやかな民具」。これなーんだ?

答えは……「張子の宝船」

「民具これな〜んだ?」の連載10回目の節目となる今回は、「にぎやかな民具」というテーマで、ユーモラスな顔が満載の民具を集めて紹介しましょう。その筆頭はなんといっても七福神であり、恵比寿、大黒天、毘沙門天、弁財天、布袋、福禄寿、寿老人の幸運をもたらす神々に対する民間信仰です。福島県を代表する郷土玩具の「三春張子の宝船」には、デフォルメされた七福神が描かれ、龍頭と呼ばれる船の舳先は文字通り龍のモチーフとなっています。龍は知恵や出世、成功をもたらすとされます。