EXHIBITIONS

本田明二展

ひとノミひとノミ、私は木を削る。

2018.11.02 - 2019.01.17

本田明二 馬碑 1967 札幌芸術の森美術館所蔵 撮影=佐藤雅英

本田明二 杜の守り神 1987 札幌芸術の森美術館所蔵 撮影=佐藤雅英

 馬やフクロウなどをモチーフに、素朴さと丹念にかたちづくられた美しさが共存する作品を手がけた北海道出身の彫刻家・本田明二。木彫家の澤田政廣に師事し、近代彫刻家のヘンリー・ムーアやマリノ・マリー二らに影響を受けながら、造形を大胆に簡略化させる自身の制作スタイルを確立した。

 東京で活動した後、北に根を下ろした本田は、北海道や札幌における文化芸術の発展にも尽力し、北海道を代表する公募団体のひとつ「全道美術協会」の運営や、札幌芸術の森、本郷新記念札幌彫刻美術館の設立に深く関わった。その飄々とした人柄で人々を魅了し、なかでも同じく彫刻家の本郷新は信頼を寄せて、自身のモニュメント制作への協力をしばしば依頼した。

 本展では、生涯を通じて取り組んだ木彫を中心に40点以上を展示。本田が作品に込めた生命の息吹と、その制作に傾けた熱意を紹介する。